季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

海鼠腸(このわた)

ナマコの腸、だからコの“わた”というらしい。呑み屋に陣取り、自分の世界に引きこもる。そういうふうにして食するのがこのわたではないか。あまり騒々しいところでは味わいたくない。
そして、明日当たり紹介しようと思う季語の熱燗。このわたで熱燗を呑む、そんな季節になったのか、と振り返る。日も短くなって、「海鼠腸で宵のうちから酔いごこち」としゃれてみる。
そんな時は文庫本を友にしてみたり。
海鼠腸をすすり失礼つかまつる 助田素水