季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

鎌鼬(かまいたち)

小学校の頃、友達がかまいたちで血を流して教員室に運ばれたことがあった。足、すねのあたりである。先生がかまいたちだろうといっていたので覚えている。具体的な経験としてはそれのみだが、ほんとうにかまいたちだったんだろうかと思う。かまいたちは妖怪の一種なのだという。「構え太刀」(かまえたち)の訛りだという説もある。
冬の季語なのは、冷たい北風や竜巻で瞬間的に空気が真空になると怪我をするから、そういうことになったのかも知れない。なぜ怪我をしたのか分からない、気が付いてみたら血が流れていた。そういう意味では子どもたちに多い。
傷を見て少年泣けり鎌鼬三星山彦