季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

豆打ち(まめうち)

季節をどこで感じるか。さびしいことにスーパーのレジで買ったものを袋につめながら、「今年を占う豆まきを家族の皆さんと一緒に」とアナウンスを聞いている。べつのスーパーでは「今日は楽しいひな祭り」の歌が流れている。いずれも売らんかなという意図が感じられる。
私の育った地方では恵方巻の習慣がないので、恵方巻を買うためにそわそわするということはない。でも、季節感すらも商売に乗っ取られている。
鬼そこにゐるごとく豆打ちにけり 鈴木真砂女