季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

青麦(あおむぎ)

この季節、いろいろなものが風貌を変えていく。芽のようだった植物が成長し、青年期へと移行していく。麦は茎が太くなり、穂を準備している。背丈はまだ膝を越えたくらいだが、まもなく腰くらいに伸びるだろう。
青麦には風が似合う。風が麦畑を通る時、一斉に波うち、存在を明らかにする。
青麦にいつ出てみても風があり 右城暮石