季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

鷺草(さぎそう)

実家の庭に咲いていた。子どもの頃、とくに誰から説明をされるのでなくても、鳥に似ている、と思ったものだ。秋、田んぼにシラサギが飛んできたが、その姿にみごとに似ている。東京・世田谷には、鷺草にまつわる悲しい話が伝わっている。おもわずそういう話のなかに置いてみたくなる花だ。
野草だというが、すでに花畑でしか見ることのできない花だった。レッドリストに載っていると聞いたことがある。
鷺草に物音たてぬ暮らしかな 橋閒石