季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

鬼灯市(ほおずきいち)

この時期、各地にほおずき市がたつ。なかでも浅草のほおずき市が有名だ。正式名称は「四万六千日・ほおずき市」。ほうずき市に行くと46000日お参りするのと同じ価値があるという。赤いほおずきが鮮やかだ。子どもの頃、丸いほおずきを口に含んで甘噛みして柔らかくし、中身を食べる。空になったほおずきを音を鳴らして遊んだものだ。調べてみると微量の毒があって、妊婦には遊ばせないように、とある。

またほおずきは薬草でもあって、煎じて飲ませると夜泣きに効いたという。

一鉢が2500円する。実は地元のほおずき市でも同じ値段。市が立つからには安く買えるのではと思っていたのだが、下の句にあるようにご利益代が入っているわけだ。

御利益の高値は承知鬼灯市 篠塚しげる