季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

胡瓜(きゅうり)

和名キュウリの呼称は、漢字で「黄瓜」(きうり)と書かれ、熟した実が黄色くなることに由来する、とある。大きくなると確かに黄色くなるが、熟したからと言って甘くなるわけでもない。青くて巨大な、野球のバットほどもあるキュウリもある。

子どもの頃の思い出といえば、学校から帰るとキュウリを縦に切って、そこに味噌を塗って食べたものである。それから、母がキュウリ揉みを作ってくれた。酢と砂糖の入ったキュウリ揉みは旨かった。今でも大きなキュウリをいただくと自らキュウリ揉みを作る。

また、キュウリと言えば、割り箸を4本さして馬を作った。お盆に、先祖がその馬に乗って、お墓から我が家にやっている。

胡瓜の馬に母またがりぬ夜更けかな 平井照敏