季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

木犀(もくせい)

今ごろ、枝の間に小さな花をつける木犀。香り高い花だ。橙色の金木犀、白い花の銀木犀。

近所に金木犀の巨木がある。屋根よりもはるかに高く、花に触れることはできないが香りに触れることはできる。

これまで、咲いているときにだけしか香りを味わうことはできない、と思っていた。ある雑誌で、花茶やリキュールを作ることができることを知った。花茶は、小さな花を集めて乾燥させる。お湯を注いで味わう。リキュールとして味わうには、ウォッカホワイトリカーにつけこむ。

木犀の香やいつの間に月太り 斎藤道子