季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

糸瓜(へちま・いとうり)

いろいろな瓜があると先日書いたが、糸瓜を忘れていた。妙に長い糸瓜。「いとうり」がなまって「と瓜」になったそうだ。それで「と」は『いろは歌』の「へ」と「ち」の間にあることから「へちま」になったんだとか。

へちまタワシは有名である。子どもの頃、お風呂で体を洗うのに使った記憶がある。新品のうちはかたくて肌が痛いが、使い込むと柔らかくなる。食器の洗い物にも使った。

へちま水も聞いたことがある。化粧水や薬としても使われたようだ。

せっかくだから食べられないものだろうかと考える。もちろん筋張ったものではなく、若いうちに。

夏の季語だろうが「緑陰(りょくいん)」というのがある。日差しを遮るために植えられた。糸瓜の緑陰はみかけなくった。最近はゴーヤだろうか。

落し物糸瓜一本秋のくれ 百合山羽公