季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

白粉花(おしろいばな)

おしろい花は田舎の庭に毎年のように咲いていた。何種類か花には色があったように思う。咲いているのもあり、すでに種になっているものもある。黒い種をつぶすと、白い乳液のようなものが出てくる。それを鼻すじなどに塗って遊ぶ。と言っても、女の子の遊び。男の子たちは、黄色い花をつける山吹の枝の芯にある発泡スチロールのようなものを篠で作った鉄砲の筒につめて撃った。空気銃のような原理。山吹の芯には限りがあるので、興がのってくると新聞紙を切って口に入れて湿らせたものを代わりに使う。

白粉花の風のおちつく縄電車 河野南畦

おしろい花は雑草のように強い草で、こんなのもいい。

引き抜かれゐて白粉花の咲き続く 菖蒲あや