季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

南天の実(なんてんのみ)

昨日のピラサンカで思いだすのは南天の実。これも秋の季語である。田舎の我が家にもあった。父が白南天は珍しいんだぞ、と何回も言っていた。南天の実は鳥が食べるのだろう。今の我が家の庭に芽吹いたこともある。草と一緒に抜いてしまったのか、いまはない。

魔除けや火災の難を逃れる木だといわれて、江戸時代には鬼門の方角の玄関に植えられたという。田舎では西のトイレのそばに植えられていた。難を転ずる木といわれ、お年寄りが転んでも柔らかく転ぶことができるよう、トイレのそばに植えられたという。

南天のど飴、というコマーシャルを聞いたことがあり、調べてみたら南天の実は咳に効くとされ、葉にも殺菌の効用があるらしい。樹皮にも漢方的な効用がある。

一方、南天の葉には毒があると書かれたものもある。

うつくしき夕映のあり実南天 角川春樹