季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

日脚伸ぶ(ひあしのぶ)

1月も下旬になると日脚が伸びてくるのがはっきり分かる。

子どもの頃、朝食を食べて、一家で縁側に集まる。なんということもなかったが、楽しかった。冬場、それほど追われるような仕事もなかったのだろう。母が、白髪を抜いてくれと頼む。まだ白髪が珍しい年代だったのだろう。その後、白髪は増えて、白髪を抜くような歳ではなくなるのだが。

日脚伸びいのちも伸ぶるごとくなり 日野草城