季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

柊挿す(ひいらぎさす)

古くは宮中の門に節分の夜、柊を挿し、なよしの頭を挿した。なよしは出世魚で、その名吉の意をとったようだ。江戸時代から庶民の習俗となって、鰯の頭を使うところもある。

子どもの頃、我が家でも柊を挿した。玄関の脇の戸袋はまだよいとして、裏庭の戸にも挿した。

まだぬくき鰯の頭挿しにけり 多田睦子