季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

薄氷(うすごおり)

春の季語、薄氷は、剃刀のような切れ味の氷である。しかし、そうしたシャープさとともに、春を思わせる氷でもある。

昨日見たテレビで、年々暖冬になりシベリアの川の氷が薄くなってきていると報じていた。25センチの氷では、2000頭もの羊を向こう岸に渡らせることができない。岸にテントを張り、氷が25センチ以上になることを待っている。残念ながら2000頭もの羊のエサが底をついてき、危ないながら川を渡る。川と言っても数百メートルもの川である。

てのひらに草の匂ひの薄氷 鷹羽狩行