季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

麦の秋風(むぎのあきかぜ)

正月頃に麦踏をしていたのが、もうすっかり色づいて、刈り入れの季節である。

子ども時代、麦畑は背が高いから隠れやすい。かくれんぼで畝に隠れようとしたら、鶏が何かに食べられた後で、羽が散らかっていたのを思い出す。母が麦を刈っていたら、畝に平行に青大将が寝ていた、と話していた。

麦畑にもいろいろな思い出がある。

故郷はどの道行も麦の秋 北原富美子