季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

冬薔薇(ふゆそうび)

冬に咲く薔薇を言う。寒薔薇、冬ばら、ともいう。

シーズンの薔薇に比べて一輪のみ小さく咲く。薔薇の華やかさとは、そのおもむきもまた違う。

一輪咲くのに、ずいぶんと日数がかかる。時には莟のまま咲かずに枯れてしまうこともある。莟が咲くためにそんなにも力をかける必要があるのかと思ってしまう。

冬薔薇の咲きためらへる日数かな 吉江八千代

日脚伸ぶ(ひあしのぶ)

1月も下旬になると日脚が伸びてくるのがはっきり分かる。

子どもの頃、朝食を食べて、一家で縁側に集まる。なんということもなかったが、楽しかった。冬場、それほど追われるような仕事もなかったのだろう。母が、白髪を抜いてくれと頼む。まだ白髪が珍しい年代だったのだろう。その後、白髪は増えて、白髪を抜くような歳ではなくなるのだが。

日脚伸びいのちも伸ぶるごとくなり 日野草城

寒梅(かんばい)

寒中に咲く梅のこと。冬に咲く梅のことも言う。「冬の梅」などとも言う。

子どもの頃、庭の梅で、早く咲く木があった。寒梅なのか、あるいは日の当たる場所だったので、普通の梅が早く咲いたのか不明。

寒梅や空の青さにすきとほり 星野立子

悴む(かじかむ)

寒気のために手足が凍えて自由が利かなくなること。口のあたりが悴んでものがうまく言えないこともある。近年はそんなに悴むこともないが、テレビでみる雪おろしなど悴むことも多いのではないかと思う。

悴かめる児の手に白き息をかけ 山田 栄美代