季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

春の雪(はるのゆき)

順調に春を迎えるとは限らない。とはいえ、今年の冬は暖かかった。暖かいというより、地球温暖化の影響とすら感じる。桜の開花が3月中旬だとの報道がある。
花が咲いたり、雪が降ったり。友人が「桜隠し」という季語があると教えてくれた。咲いた桜を雪が隠す風景。このところ国会をにぎわしている問題かと思わずニンマリしてしまう。
春の雪といえば牡丹雪。降ってもすぐに溶ける。「ふっくらとゆっくりと」と暖かな表現がいい。
春の雪降るふつくらとゆつくりと 細見綾子