季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

梅観(うめみ)

桜には、思わず気を許してしまう華やかさがあるが、梅はどうも。
私は水戸の出身なので、偕楽園にも何度か足を運んだ。梅の花に華やかさは感じられない。しかし、まだ春になる前から花をつける梅には、脱帽する。そして、桜と違って実をつける。梅干しが好きなのも日本人ならでは、というものだろう。そういえば、公園の梅の実を採って警察に捕まったというニュースがあった。せちがらいというのか。しかし、公園の梅に木になった実は誰のものになるのだろう。なんだか、梅に酔う気持ちになれない。
今住んでいる近くに桜で有名な公園がある。近くの公園は梅を売り物にしている。どうやらお互いに張り合っているらしい。公園が張り合うはずはないから、公園の近くの住民が、ということになるのだろうか。
梅見酒をんなも酔うてしまひけり 大石悦子