季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

菫(すみれ)

すみれの語源は墨入れ(墨壺)に由来しているという。しかし個人的には似ていると言われる墨入れのほうのイメージが湧かない。
花言葉は、道端や草陰にひっそりと花を咲かせる姿が、控えめで奥ゆかしいことから、「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」。西洋でも誠実、奥ゆかしさの象徴とされる花で、バラの「慈愛・美」、百合の「威厳・純潔」とともに3つの特徴を兼ね備えているのが理想の女性とされているという。ジェンダーギャップを嫌う私としては、十分男性の美徳でもあるだろうと思う。
菫ほどな小さき人に生れたし 夏目漱石