季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

津波(つなみ)

多くの人に3.11の思い出があることだろう。電車に乗っていて急停車し、線路を歩いて車道に出て、見れば2か所ほどで煙が上がっていた。帰宅してからの数日間はテレビに釘付けとなった。コマーシャルはなく金子みすずの詩が流れた。
月末ごろ、東北道が走れるようになって、救援に向かった。妙に多弁な被災者が多かった。畳を道端に出して、立ち話で語ってくれる。海岸線を車で走って、河川があると津波は上流まで登って、迂回するのに手間取った。
津波被る河川の老い桜 有本勝