季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

三葉芹(みつばぜり)

この季節になると庭にみつばが生えてくる。庭に出て、2、3ちぎってスープに入れる。それだけでじゅうぶん満足である。香りはまさにみつば特有で、平安の世になったような気分である。
スーパーに行くと、最近はセリでもみつばでも、根の部分までしっかり売っている。昔はこんな売り方はしていなかったように思う。あるいは、私の育った地方だけ食べなかったのかも知れない。調理の番組をみていて、根の部分まで鍋にいれていて、こんなふうに食べるのなら売っていておかしくないかと思うのだが、まだ食べたことがない。
三葉芹浮べて富めり輪島椀 有働 亨