季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

山椒の芽(さんしょうのめ)

まだ4月も21日かあ、と思うのも、コロナ禍で毎日自宅にいるからだ。一向に終息に向かわないコロナ感染。来年の今頃になって、どういう思いで今頃を振り返ることになるのだろう。
ときおり庭に出て、昨日は三つ葉芹を話題にしたが、今日は山椒。30年来の木で、幹は直径4、5センチもあるが、棘があるので困る。ちょうど若葉が出始めて、これも摘まんでくると料理の香りづけになる。子どもの頃はこんな気取ったものは食べなかったら、会社勤めをするようになって、小料理屋で食べたのが始まりか。山椒の芽を左の掌にのせて両手をパンと鳴らす。そうすると香りが立つ。
毎年、隣の、お茶の先生をしているおばあちゃんに、4、5枚もっていくのだが、今年は持っていく気にもならない。
夕刊をとりて山椒の芽をとりて 高野富士子