季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

端居(はしい)

暑い時に、濡れ縁などに出て涼むこと。風呂上がりなどに多いから、夕端居ともいわれる。
暑ければ冷房を強めにかけて過ごす今と違って、どこか情緒がある。だいたい、端居という言葉が季語にあることで、昔の夏の過ごし方が目に浮かぶ。生活の場である居間からしばし離れて、一人を楽しむ。小さな子どもがいれば、まとわりついてきたりするのだろうか。
蚊もいるから、蚊取り線香をくゆらせていたりもするだろう。
家がまだ開放系の存在で、玄関先を通る人が声をかけてきたり。下の句にあるように、気心の知れた知人がまるで自分の家のように過ごしていたり。
訪れて心易さの端居かな 高濱年尾