季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

病葉(わくらば)

勘違いをしていた。虫のかじったいびつな葉のことかと思っていたが、緑のなかに色づいた葉のあること。ただ、あながち間違いでもない。病気や虫で色づいた葉ということだから。
気になるのは病と書いてわくら、と読ませること。調べてみたが、これといった定説はないらしい。虫食いの葉だと思ったのは、この漢字からだが、語感で言うと「わかれ葉」のようでもある。夏の間に、ひと足先に散っていく。
病葉や神の間引きに遭ふといふ 柴田奈美