季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

鶏頭(けいとう)

隣の庭に真っ赤な鶏頭が咲いている。強い日差しのなか喧嘩でも売るように鮮やかだ。

鶏冠に似ているので妥当な命名といえる。茎も赤いから、根っから赤に染まっているのだろう。うっかりすると、自分の弱気に負けそうになる花の色だ。そして、子どもの頃を思い出させる花でもある。

遠き日の鶏頭色にまじらざる 石川桂郎