季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

生姜(しょうが)

薑(はじかみ)ともいう。根茎が太くなり、それを食する。秋の味覚のなかでも不思議な食べ物だと思う。味噌をつけてかじる。それでビールを飲む。暑さでバテ気味の身には涼の気分を味わえる。

下の句、現代には生姜売りが来るわけではないが、もし来たとしたらこの世の人と思えない感じがする。生姜の味わいにはそうした不思議さがつきまとう。

他界より来てまた帰る生姜売り 藤原月彦