季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

穭田(ひつぢだ)

穭田。稲刈りの終わったあと、切り株に生えてくる細い茎のこと。でも、私は穭田と表現したことはない。初耳だ。稲を刈った後、しばらくするとまた生えてきて、なかには花が咲いて実をつけることもある。多くは実がつかずカラである。

秋から冬にかけて。なので晩秋の季語。だから、白鷺などと一緒にイメージする。

若いころ、兄の、ゴルフのアイアンのクラブを田んぼにもっていって、何列も切り株を転がした記憶がある。会社でそんな話をしたら、腕がいいと思われたが、実際にゴルフ場に行って惨憺たる結果だった。

穭田に藁けちらして鶏あそぶ 早崎泰江