季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

新松子(しんちぢり)

その年にできた、まだ青い松かさのこと。青松毬(あおまつかさ)という季語もある。松子を「ちぢり」と読める人は何人いるだろうか。俳句をやる人以外はたぶん知らないだろう。

また、この時期の松かさをどうして季語として珍重するのだろうか。多くの木の実が色づくときに、松かさだけが青い。その色の対比がこの季語を季語たらしめているのではないか。

新松子わが恋ごとは青くさし 高桑弘夫