季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

火鉢(ひばち)

家のなかで暖をとるものといえば炬燵と火鉢か。炬燵の方はいまでも使われているが、火鉢は使われなくなった。火鉢は水槽代わりに使われ、メダカなどが飼われている。

子どもの頃、我が家にも火鉢があって、けっこう暖かかった。火箸で炭を足したり、寝るときには埋火にしたり。火鉢には五徳があって鉄瓶がチンチンと湧いている。あの風情もいい。

火鉢は、それを囲んで、家族が話しに花を咲かせる。昔はそんな団欒があったものだ。

水漲つて父の火鉢にほてい草 畑 ゆき乃