季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

銀杏落葉(いちょうおちば)

落葉樹のなかでも銀杏のはすさまじい。誰だったか、大学の研究室の窓から銀杏を眺めていたら、落葉が始まり2時間ほどですべて散ってしまったという。こちらの銀杏はすべて落葉しているのに、隣の銀杏はまだ葉をつけている。そういう不思議さにも出会う。
銀杏並木は誰の発案なのだろう。敷き詰めた黄金のなかを歩く。祝福されているような気持になる。一方で、銀杏と言えば大樹の代表でもある。何本かのそうした大きな銀杏を知っている。一番印象深いのは、菩提寺の庭の銀杏。子どもの頃は、それはそれは大きな樹に見えた。枝のところに、こぶというか、つららのようなものが見えた。

敷きっめし銀杏落葉の上に道池内たけし