季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

冬薔薇(ふゆばら)

冬の薔薇が咲くには時間がかかる。こたつに入ったまま窓によりかかる薔薇のつぼみをみていると、つぼみは簡単に開くものではないことに気づかされる。力をこめつつ、ついに咲けない薔薇もある。周りはすでに茶色になり干からびて、少しだけつぼみの赤い色がのぞく。
こちらはぬくぬくとこたつに入って、咲かない薔薇を眺めている。
冬ばらの一輪を陽のいたはりて 砂田貴美子