季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

煮凝り(にこごり)

この季節、魚の煮物は翌日が楽しみだ。と言っても、昔ほどではない。いまの朝食はパンが多いが、炊き立ての朝ご飯には煮凝りが嬉しい。ご飯に滲みて、魚の骨だけが残る。出汁が出ていて、ご飯がすすんだものだ。
一家団欒、朝にも全員がそろう。思いだすのは生卵。醤油をいっぱいかけて、家族全員で一個の卵を食べる。醤油かけご飯と言ってもいいくらい。じゅうぶんかき混ぜていないから、一人のところにまとまってかかってしまう。そうやって思いだすと、納豆もよく食べた。切り干し大根を加えた納豆については、明日書こう。
煮凝をとろりと逃がし苦笑 影島智子