季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

落葉(おちば)

年の暮れというのは落ち着かない。手持無沙汰だ。大掃除など手を付ければやるべきことは限りなくある。でも、時間の空白はどうしようもない。誰かを誘って飲みにでも出かけてしまえばいいのだが、それにも罪悪感がある。
ブックオフで買っておいた本を読む。『良寛の恋・炎の女 貞心尼』(工藤美代子)。良寛の句が紹介されている。「焚くほどは風がもて来る落葉かな」。どうやら一茶の「焚くだけは風のくれたる落葉かな」を誰かに聞いて作ったのではないか、と言われている。それでも、良寛といわれると、頷いてしまう。人生観として詠んでしまっているからだ。