季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

残雪(ざんせつ)

残り雪、などとも呼ばれる。雪そのものが珍しい地方に住んでいるので、残雪に特別な思いはないが、春の兆しのあるなかでの雪に思いを馳せる人もいるのだろう。山の頂にのこる雪の形や多さで、農事を占うようなこともあった。ちょうど農作業が始まる時期でもある。
道路に残雪がある場合も多い。谷間の陰の道など。それに乗り上げるような形でバスが停まる。
残雪の土に傾きとまるバス 新谷氷照