季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

蛙の目借時(かわずのめかりどき)

先に書いた「亀鳴く」もそうだが、不思議な季語がある。この蛙の目借時もそう。もともとは妻刈り、いわば求愛行動の意味だろう。それが転じて、目借り。春の眠気を催す頃を言う。蛙が人の目を借りていくから眠くなる、という俗説。
どうなのだろう、蛙の目の方が瞼が閉じそうで眠く見えるのだが。
年金の本など読んで目借り時 高澤良一