季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

藤棚(ふじだな)

近くの公園は梅、桜、藤、薔薇と時間差で花を楽しむことができる。まもなく藤のシーズンである。大きな藤棚がある。
恥ずかしいことだが、口をついて出てくるのは安達明の「女学生」。うすむらさきの藤棚の、という歌詞。このエッセイの原型も、きっと花の影に隠れているうら若き女性。そういうエッセイに高校生のころ憧れたものだった。いまは、残念ながら恋をネタにするには人生を歩み過ぎてしまったが。
藤棚の下は濡れざるほどの雨 小坂蛍泉