季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

夜釣り(よつり)

子どもの頃、同居していた叔父が釣りに行こうかと誘ってくれる。と言っても夜の9時前後。先に鈴をつけた竹竿をもって川に行く。餌は小指ほどもあるミミズ。ごみの山に棒を差し込んで動かすとミミズはモグラが来たのかと感じて慌てて出てくる。それをつまむように拾って餌とする。狙うはウナギ。月の出ない晩だけの楽しみだ。
夜釣やてうそついたはるわかるもん 平井奇散人