季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

道教え(みちおしえ)

道教えは斑猫(はんみょう)のこと。斑猫は緑色の美しい光沢をもつ甲虫で、道にいることが多い。人が近寄ると、飛んで数歩先に下りて振返り、人を見るような様子をする。また近寄ると、同じ動作を繰り返す。まるで道を教えているようなので、「道おしえ・道しるべ」とも呼ばれる。
それにしても、虫の名前として「斑猫」と書くのも不思議。どうやら、獲物を捕まえるところが猫に似ている、ということらしい。斑猫も季語としてあるが、道教えという季語も想像力を刺激する。
これよりは自力で行けと道をしへ 小野寺和子