季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

団扇(うちわ)

暑い時にあおぐばかりではなかった。火起こしにも使う。虫を払うのにも使う。蠅や蚊を打つのにも使った。

暑い時にあおぐとしても、その場面、使う人によってもさまざま。自分にだけでなく、相手に風を送ることもある。人間関係のやさしさの道具でもあった。

大量生産のものだけでなく、手作りの竹製、貼る紙にしても油紙、渋紙など。絵には美人画など涼を呼ぶ工夫があった。

子の心ほぐるるまでを団扇風 太田昌子