季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

百日紅(さるすべり)

すべすべの幹から「さるすべり」というのだろう。実家のさるすべりは私が見てから60数年たっているが、樹木として成長した感じがしない。我が家も購入してから30年以上がたつが、その前から庭にあるさるすべりも成長の感じがない。そんな、成長の遅さが庭の木として喜ばれるのだろう。

成長の遅さは、あの、幹の皮がはがれることと関係があるようだ。

さるすべりには幹に深い傷のあるものが多い。兄が、そこから蛇が出てきたと言っていた。見たわけではないし、子どもの頃の話にもかかわらず、今でもよく覚えていて、さるすべりの幹の傷を見つけるとその心配をする。

花はあまりにいつまでも咲いているので、しっかり見た記憶がない。

いつまでも散るのがへたな百日紅 鎌倉佐弓