季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

茄子(なす)

インドが原産地といわれ、正倉院の書物にも書かれており、日本では奈良時代から栽培されていたという。古くから庶民の間に広まっていた野菜だけに、親しみがある。

20歳ごろ上京した私には、今でもスーパーで買うものではなくて、庭先に行って枝から直接もいでくるものだった。昨日のきゅうりと同じく、あまり個性のない味わいだが、そこがいい。炒めても煮てもいい。焼くこともある。

きゅうりと同様、割り箸をさして盆に帰ってくる先祖を迎えに行く。

夕立が洗つていつた茄子をもぐ 種田山頭火