季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

外寝(そとね)

今のようにエアコンの普及していない時代の夏は寝苦しかった。蚊帳を吊ったり、縁側で寝たり。夜眠れないので、昼間木陰の縁台でうつらうつらするのも外寝といった。

15年ほど前、オーストラリアでアボリジニと生活したことがあった。夜はテントで寝ていたのだが、若者が家に来ないかというのでついていった。庭でお父さんらしき人が酔っ払って寝ていた。そのお父さんに叱られて家には入れてもらえなかった。そんなことを思いだした。

外寝してゐしかや知らず手にはパン 今井千鶴子