季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

八朔(はっさく)

朔日とは1日のことで、旧暦の8月1日を八朔という。そのころにとれはじめる早稲の穂を日頃お世話になっている人に贈る習慣があった。田の実の節句ともいわれる。面白いのは田の実が転じて「頼み」となったこと。農家だけでなく日頃の恩にお礼をする日になったようだ。

子どもの頃ハッサクといえばミカンの種類のことだった。現在でもあるのだろうが、種類が増えて、埋没してしまったのかも知れない。

八朔や日は炎えながら秋の風 竹尾梅塢