季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

添水(そうず)

「鹿威し」なら知っているだろうか。害獣を追い払うために、水を利用して竹筒が石にあたって大きな音を立てる。鹿を脅して追い払うものだが、私たちの知っている鹿威しは庭園で風流を楽しむもの。

秋になると、多くの植物は実る。動物は来たるべき冬のために農産物を狙うこともある。そのため、鳴子を田んぼに仕掛けて小鳥を追い払ったり、案山子も。鳥脅しはピカピカ光るものを畑にぶら下げるもの。あの手この手で対策を練るが、なかなかうまくいかない。

静けさのきはまって鳴る添水かな 沢村越石