季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

稲扱(いねこき)

脱穀ともいう。私が子どもの頃はすでに動力化していて、ベルトで発動機とつないで稲を扱いだものだ。そういう機械がないころは足踏みの脱穀機があって、豆などはそれでやった。足扱ぎ脱穀機とでもいうのだろうか、私の田舎では大人も「ガーコン」もしくは「ガーコンガーコン」と言っていた。

脱穀がすむと籾摺りをやる。玄米にして農協に出荷するのだ。籾摺りはいいが脱穀はほこりが舞い上がり、終わったらすぐに風呂に入ったものだ。

稲は脱穀するが、麦はどうなのだろう。脱穀ができないので粉にする。ご飯とパンの違い。

稲埃まとひて独り石地蔵 小池龍渓子