季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

竹瓮(たっぺ)

寒くなってくると川魚も活動が鈍くなる。沈んだ枯れ葉のうえを魚がゆっくり泳ぐ。川底に竹瓮を沈めてその魚を捕る。竹を編んで、一方から入った魚が出られなくなる仕組み。地域で呼び名が異なり、私の地域(茨城)ではズーケと言った。鮒を主にとるが、エビガニやらウナギやら、いったん入って出られなくなるものはなんでも捕まえる。

ウナギ用のは大きなズーケで、直径が30センチもある。ミミズなど餌を入れておく。朝、それを引き上げに行くのはとても楽しいひと時である。

竹瓮はや底ひの水に馴染みをり 辻帰帆