季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

葛湯(くずゆ)

百姓家で葛湯など飲むことはないのかも知れない。我が家の座敷には疎開してからずっと住み続けていた大叔父と、結婚はしていないのだが女性が住んでいた。東京で働いていたせいか、新しい文化を持ち込んでいて、村ではどこもとっていない日本経済新聞をとっていたりした。

その座敷に行くと、葛湯を飲ませてくれた。砂糖の入った甘い葛湯。

大叔父はヨガをやっていたりエスペラント語の勉強をしたり。気が付かないが、いろいろと感化を受けていたように思う。

葛湯して心養生とぞ思ふ 上田五千石