季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

日向ぼこ(ひなたぼこ)

ひなたの恋しい季節になってきた。

子どもの頃、家族が縁側に集まって、日向ぼっこをしたものである(日向ぼこ、日向ぼっこ、どちらなんだろう)。庭の霜が溶けて、ぬかるみになる。郵便配達の人がバイクで来ても、手こずっている。母が白髪を抜いてくれ、とか言っていた。いつか白髪だらけになるのだが、まだあの頃はなかなか白髪が見つからないような髪だったのだろう。乾した布団のうえで耳かきをしてもらったり。

ひなたぼこ二人の時もひとり言 大橋とし