季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

オリオン(おりおん)

日が短くなると月や星が身近になる。そして、オリオンは空に大きく描かれる。子どもの頃、それを眺めながら家路についたものである。中学の頃は天体に興味をもって、流星群や星雲を見ようと寒空を眺めたものだ。冬の季語には星が多い。日が短いことに加えて、空が澄んで星がよく見えるということもあるだろう。
子どもの頃は高い天空の星に目がいったものだが、いまは地上に落ちかかった宵の明星くらいしか目に入らない。
オリオンに向ふ家路や凍てる夜 神田典夫