季語 日めくりエッセイ

木ノ内博道 俳句の季語に触発された日々の想い

竈猫(かまどねこ)

寒がりの猫にとって、昔は唯一かまどが暖をとる場所だったのだろう。使ったかまどの火が消える頃は人間が眠るころ。そして、朝、また火を使うころにかまどから出てくる。フーテンの寅さんの口上にある「けっこう毛だらけ灰だらけ」はかまど猫のことだが、もう分からない人も多いだろう。
竈猫以外に炬燵猫やかじけ猫なども季語にある。子どもの頃、寝ている布団に入ってくる猫はなんだか嬉しかった。
薄目あけ人嫌ひなり炬燵猫 松本たかし